2010年9月28日火曜日

「漢の花園」Vol.4 長月

9月末を迎えてやっと涼しくなって参りました。酷暑が続いた今年の東京。
その影響は武蔵野の面影を残す、母校の森にも垣間見ることができます。
真夏の花と初秋の花が混在する長月のキャンパス。
それでも秋は、森のいたるところで着々と深まっていました。

ヒガンバナ(彼岸花:ユリ科)
これこれ・・・「漢の花園」9月期のアップが月末になった最大の理由。
それはヒガンバナの開花を待っていたからなのです。別名「曼珠沙華(マンジュシャゲ)」とも呼ばれるヒガンバナは中国からの帰化植物。
水稲の伝来と共に球根が混入して広まったそうです。この季節、田んぼの畦道などで見事な群落を見ることができます。
ヒガンバナの根は有毒だそうで、土に穴を掘る小動物を避けるために畦道に植えた、との説も・・・。9月の里山を真紅に彩るヒガンバナ。
開花の頃に亡くなった方は、あの世でもご先祖様に守られているのだとか・・・。ドラマ「ゲゲゲの女房」で知りました。
ヒガンバナ

ナス(茄子:ナス科)
お馴染みのナスの花ですから講釈はやめます。いわゆるナスです。日本学園の理科教室がある校舎と渡り廊下に挟まれたエリアには理科実験で栽培された野菜のプランターがたくさん並んでいます。この空間を訪れるのは僕の小さな楽しみ。
夏はスイカやヘチマがごろんところがっていました。今はナスといっしょに真っ赤な唐辛子が実を付けています。
「秋茄子は嫁に食わすな」と申しますが、これには”あまりに旨いから憎らしい嫁に食わすな”というイジワルばあさん説と”秋茄子は体が冷えるから大事な嫁に食わすな”という思いやりの意味と、ふたつがあるそうです。以上、講釈でした。
ナス

タテハチョウの仲間(タテハチョウ科)
キバナコスモスの蜜を吸うタテハ蝶の仲間です。調べてみましたが「豹紋蝶」なるタテハ蝶の一味のようです。
タテハは「立て羽」だそうで、羽を立ててとまる習性に因むそうですが、実際は立てたり、開いたりしていました。
名に由来あり、とはいえ油断は禁物です。学園の森には花に誘われて数多くの蝶がやってきます。
彼らも豊かな自然の証人。出会うたびにレンズを向けるのですが、シャッターより速く飛び去っていくこともしばしばです。
タテハチョウの仲間

キバナコスモス(黄花秋桜:キク科)
原産地はメキシコだそうです。日本には大正時代に輸入されました。頑強で育てやすい植物だそうで、開花期間も6月~11月と長いのであります。それが証拠に数ヶ月前から彼らは学園の正門左右に、見事な花の群列を見せていました。
しかし、秋桜だけに、やはり秋だろう・・・というわけで、今まで紹介しなかったのであります。この花、学園に咲く花は数あれど、最も長く咲き続ける花のひとつではないかと思われます。ようやく秋めいてきた風に揺れる秋桜たち・・・・
と思いきや、彼らを揺らしていたのは、花に沿って駆け抜けてゆく野球部員たちの疾風でありました。
キバナコスモス

広報部会 S56卒 永澤

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