2011年2月25日金曜日

「漢の花園」Vol.9 如月

母校の入試も来月3日の高校2次募集を残すのみとなりました。今年も中学・高校ともに堅調な志願者数を記録しているとのこと。このところキャンパスを訪れるたびに谷川校長、先生方、事務室のみなさん、そして何よりも生徒と保護者の充実感あふれる表情をお見受けいたします。それは日本学園に対する、さらなる評価の高まりと、それを裏付ける確かな教育的効果・結果を誰もが実感しているからに他なりません。高校3年の受験生諸君からも志望大学合格の朗報が続々と舞い込んでいるようです。冬来たりなば春遠からじ。それぞれの生徒たちの未来を祝福するごとく、学園では凍てつく土を物ともせずに早春の草花が咲き誇っています。

スイセン(水仙:ヒガンバナ科) 

日本学園の森にはビョウヤナギ、キバナコスモス、ヒガンバナなど四季折々、見事な群落を見せる草花が数多く息づいています。スイセンもそのひとつ。特に一号館に向かって左手の草叢と理科教室棟裏の群落は野性的な美しさを誇ります。母校のスイセンはニホンズイセンと思われます。室町時代以前に中国から入って来た品種ですので、純日本産ではありませんが、日本と名のつく以上、古来より日本人にとって、春の訪れを感じさせる花であったことは間違いありません。海外ではスイセンは「希望」のシンボルとのこと。いち早く春を告げる使者のごとき花に、人は明るい未来を予感したのでしょう。荘厳な一号館に胸をときめかせる入学決定の生徒、ここに学んで悔いなしの想いを抱いて巣立つ卒業間近の生徒、彼らの未来を見守るように、希望の象徴は早春の陽を浴びて静かに揺れていました。


アロエ(アロエ科) 

アフリカ大陸南部を原産地とするお馴染みの植物です。アロエは葉肉のゲル状物質に健胃効果があると言われており、俗に「医者いらず」の異名を持っています。そういえば僕も大学生の頃、ひどい二日酔いの友人が大学内に生えていたアロエを剥いて葉肉を食べてみたところ、短時間で症状が改善された事例を目撃しております。しかし、調べてみると健胃効果は特定の品種にのみ認められるとのこと。ですから生徒諸君は悪戯に食べたりしないように。さて、ここでご紹介したかったのはアロエの花だったのですが、実は写真の状態はまだ蕾なのであります。この蕾は12月半ばあたりから成長し始めました。いつ開花するかと楽しみにしていたのですが、この冬の尋常ならざる寒気のためか、残念ながら開花することなく萎んでしまいました。真冬に咲く花とは思えないエキゾチックなアロエの花。どんな花なのか?見たい方はこちらへ。

ノゲシ(野芥子:キク科) 

すみません、これ、先月アザミとして紹介したのですが、よく調べたところノゲシ(野芥子)であることが判明いたしました。3月28日段階で訂正させていただきます。これも無学者の悲しさ・・・さらなる猛勉強が必要であることを痛感いたしました。このノゲシが咲いていた場所はテニスコートと校舎の間にある南向きの杉並木の下でしたが、その後、キャンパス内のいたるところで咲き始め、2月よりは3月が開花の本番であることを知りました。「漢の花園」始まって以来の失態であります・・・。

マンリョウ(万両:ヤブコウジ科) 

いかにも懐が暖かくなりそうな縁起の良い名前の植物です。彼には「千両」「百両」「十両」という同じく紅い実を付ける近縁種もいますが、最も多く実を付けるのが万両だそうで、その実りの様が昔の人をして「万両」と呼ばせたのでしょう。日本学園のキャンパスには、いたるところに万両が生えており、冬枯れの森に鮮やかなアクセントを加えています。ちなみに超高校級の実力でマスコミも注目する「日本学園 為替株式学習クラブ」は、昨年の日学祭で「会社経営ゲーム」を実施しました。そのときにご協力をいただいた千葉県柏市の麗澤大学の校章は、この万両であります。同学園の校祖が葉影に美しい実を謙虚に付ける姿に学生の理想像を重ね合わせたとのこと。写真の万両からも、まさにそのような印象を受けますね。紅い実を受けとめる落ち葉の下から数多の草木が芽吹き出す頃、夢と希望を胸に抱いて、ピカピカの日校健児たちが学園の森にやってきます。

広報部会 S56卒 永澤

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