2015年5月15日金曜日

フランスの画家バルテュス「決して訪れない時」
を見て思う事

【日本学園では昭和20年代、木曜日を休日とした時がしばらく続きました。当時の柿内校長がフランスの制度をまねて、「先生の研究の日」として採用された様です。それに多少関係ありますので、下記をご参考までにお読みいただければ幸いです。】
 
一昨年の419日から622日まで上野の東京都美術館で行われたフランスの画家バルテュス(Balthus 晩年はスイスで暮らした)展覧会に出品されたある作品(若い女性がしどけない姿でソファに横たわっている)の題名に「決して訪れない時」が付されており、その英語訳にthe week of four Thursdaysが記されていました。帰宅後、調べたところ、白水社の仏和辞典にla semaine des quatre troisjeudis (4 ()回木曜日のある週)決して来ない時に、いつまでたっても」というのが見つかり、Petit Larousseにも同様の記載がありtemps qui n’arrivera jamais (決して訪れない時)の説明がありました。
注)しどけない姿:身なりなどがきちんとせず、だらしない様を現すことば。

ところで、何故このような成句がフランス語に出来たのか?インターネットで調べたところ、フランスでは1882年から1972年まで学校は木曜日が休みだったことが分かりました。ついでながら、oncise Oxford French Dictionary でこの句を調べたところ、上記に対する英語は、a week of Sundays と記載されていました。日本語でいうところの「盆と正月が一緒に来たような」の表現に似ていますね。

 【上記は大修館書店の月刊誌「英語教育」5月号にコラムニスト、堀内克明さんの「今日のフランスでは小学校は水曜日に休みになるようです」というコメントがついて紹介されています。堀内さんは小生の東京外大の1年先輩。旺文社の「新英和中辞典」の編者です】
昭和28年卒   米田利民

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