2020年7月6日月曜日

甘利俊一先生(令和年度文化勲章受章)記念講演会(令和2年2 月13 日)

甘利俊一先生(令和年度文化勲章受章)記念講演会が ~ 著書  脳・心・人工知能 より 「心と意識」を中心とした講演 ~
日本学園卒業生8人目の文化勲章受章者、甘利俊一先生の講演会が令和2年2 月13 日(木)日本学園で行われました。
コロナ禍の影響により梅窓会報の発行が中止されたため公開が遅れてしまいました。あらためて、準備していた記事を公開します。

甘利俊一先生(昭和 26 年日本学園中学校卒)
日本学園中学校を卒業した、甘利俊一先生が文化勲章を受章されました。
受章を記念して、日本学園の生徒を対象とした記念講演会が行われました。

甘利先生略歴
甘利俊一先生は日本学園中学校を昭和26年3月に卒業されました。
その後、都立戸山高校、東京大学工学部を卒業後、東京大学大学院で数理工学 を専攻し、九州大学助教授、東京大学助教授、教授を経て、現在東京大学名誉教授。その他、理化学研究所 脳科学操業研究センター・センター長を歴任。文化功労賞、日本学士院賞、IEEEピオーレ賞、神経回路網パイオニア賞など多数の受賞歴があります。 甘利先生は,AI(人工知能)に繋がる情報幾何など、情報の数理を扱う数学理論を提唱し、人工知能の基礎理論を築き、脳の仕組みを数理の立場で明らかにする数理脳科学の構築を担ってきました。
これからのAI社会の礎を築いた方のおひとりです。

本校8人目の文化勲章受章者
文化勲章を受章した日本学園の大先輩は、日本画家の横山大観氏、画家の鏑木清方氏、歌人の佐佐木信綱氏、中国文学者の鈴木虎雄氏、作家の永井荷風氏、岩波書店創立者の岩波茂雄氏、評論家の長谷川如是閑氏の7名でした。今回、令和の時代に8人目の受章者として甘利俊一先生が名を連ねられました。日本学園にとっても誠に名誉なことと思います。 後輩諸君も、是非とも後に続き、「まさかの時に役に立つ人」(校祖 杉浦重剛先生のお言葉)になることを願っています。

甘利先生の中学校時代
甘利先生は、日本中学校の数学の先生である荒井好雄先生の影響を受けて数学に興味を持たれたようです。 甘利先生を数学の道に導き、文化勲章受章まで突き詰めるきっかけを与えた荒井先生も日本学園の誇りある先生の、おひとりではないでしょうか。

日本学園での講演会 
「人工知能と社会」というテーマで講演をしていただきました。
生徒・教職員だけでなく多くの梅窓会員も参加して、 講堂がかつてないほどの人で埋まりました。 中学時代のエピソードからはじまり、AI(人工知能)についてわかりやすくお話をしていただきました。 「人工知能は今まで 3 回ブームがあった。まだ人間の知能とは程遠い、このまま進歩するとは思えない。あと、20年~30年後またブームが来る。それに向けてしっかりと研究 を続けることが大切」。と話されていました。 また「人間は社会的生物。心がある。我々は、考えること人と人が心をもって接することが大切」。といった話をしていただきました。 特に、「脳は、自分の意思や決断などよりもずいぶん早めに自分の方向性を決めている。自分がこうなりたいと強く思うことは自分の脳をそういう方向へ先駆けて進ませる」。 など、興味深い話をしていただきました。

日本学園の生徒たちにお言葉を頂きました。
「夢を持ち、コツコツ努力し実現するような動きをしておくのが今後の人生において大事になります。」 「ひたむきに挑戦せよ」「志を持って、しっかり頑張ってください」

(磯崎喜則 昭和48年卒 記)


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