スイセン(水仙:ヒガンバナ科) 画像クリックで拡大
日本学園の森で早春を告げる使者といえば、このスイセン(日本寒水仙)たちであります。一号館左手の森、二号館裏の秘密の花園、そして広大なグラウンドを囲むフェンス沿いなどなど、日本学園はスイセンに囲まれた学園と申し上げても過言ではありません。この日本寒水仙、一定の寒気に晒されないと開花しないそうです。僕の写真データの記録では、日本学園で一番花が咲いていたのは、なんと昨年の12月23日。この冬の寒気の訪れの早さと厳しさを感じる記録です。どうりでいつまでも冷えるワケだ・・・。
プラタナスの種(鈴掛の木:スズカケノキ科)
『日本学園百年史』によりますと、このプラタナスを始め、グラウンドにそびえる巨木群は、昭和16年に生徒たちの「勤労作業」に対する感謝の印として、北多摩郡神代村(現・東京都調布市)から贈られた木々とのこと。「若木が贈られた」とありますので、当時の樹齢を2年と仮定すれば、このプラタナスは73歳。私の母と同い歳であります。戦時下の学園に根を下ろして七十数年、松原校舎と共に生徒たちを見守り続け、今や母校のシンボルとして愛され続けるプラタナス。その枝には今年も新しい命を宿した種が鈴生りであります。
ノシランの種(熨斗蘭:スズラン科)
日本・東アジア原産で東海地方以西の海岸近くに多く見られます。扁平な葉が「熨斗」に似ており、夏季に咲く白い房状の花がランを思わせるため「ノシラン」と呼ばれるそうです。それにしても、この瑠璃色の種の美しいこと。この種は晩秋から緑色に膨らみ始め、成長しながら翌年の早春にご覧のような瑠璃色へと染まっていきます。日本学園で最も美しい種を付ける植物かもしれません。実は僕は学園の森のノシラン自生地を事前にチェックし、種が瑠璃色となる日を待ちわびていたのであります。フェンスが少々興醒めではありますが・・・
ビワの花(枇杷:バラ科)
ビワの実は知っているし好物だが、ビワの花は初めて見た・・・という方もいらっしゃるのでは?実は僕もビワの花を見たのは、この撮影時が初めてでした。これだけ地味な花ですから注目されないのも当たり前ですが、しかしビワはこの花で自家受粉するそうで、他力に頼らず自分自身であの甘く瑞々しい果実を実らせるのであります。そう思えば、このカビにまみれたような哀れな花も愛おしく見えて参ります。新入生を迎える準備が進む日本学園、その森に生きる植物たちも新年度への用意を着々と整えているようです。
広報部会 S56卒 永澤
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