2012年4月30日月曜日

「漢の花園」Vol.23卯月

快晴に恵まれたGW前半、みなさま如何お過ごしでしょうか?今年の四月は前半が寒く、後半から一気に気温が上昇するという現象に見舞われました。そのおかげで入学式を八分咲きの桜の下で迎えるなど、近年にない良いこともありましたが、その一方、寒さで蕾を閉じていた花々が四月中旬から怒涛のごとく開花し始めたので「漢の花園」取材班の僕はてんてこ舞いでありました。なにしろ週2~3回は母校を訪れませんと花期を逃してしまいます。仕事も忙しいが花も気になる・・・事務所を抜け出し学園に行ったがために、仕事で徹夜になった日もありました・・・「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」・・・泣き言は申しますまい・・・これも母校の自然が天の摂理に沿って動いている証拠。そんな野性味あふれる「漢の花園」の春爛漫をご覧ください!
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 ヘビイチゴ(蛇苺:バラ科) 

「おい、春爛漫なんだろ、もっと派手な花を紹介しろよ・・・」という声も聞こえます。そうです「ハナカイドウ」「ホウキモモ」「紅白ボケ」など、四月の母校には、まだ「漢の花園」で紹介していないド派手な花々も狂い咲いておりますが、これは僕の趣味とでも申しましょうか、やはり野性的で可憐な山野草をつい選んでしまいます。この花、中央部分がボケているように見えますが、それは細かい毛の集合体であります。なんだか黄色い春霞のようにも見えて幻想的です。真っ赤な実は既に紹介していますのでこちらをご覧ください。http://baisoukai.blogspot.jp/2010/06/vol2.html

 シャガ(射干・胡蝶花:アヤメ科) 

はるか昔に中国から持ちこまれた帰化植物だそうです。日本のシャガは三倍体で種子が発生しないことから、同一遺伝子を持った株が人為的に植えられ広まったと考えられています。しかもこのシャガ、なんと東京都のレッドリスト「準絶滅危惧種」に指定されています。松原界隈では、そんなに珍しい花でもないのですが東京全体から見れば希少な植物なんでしょうね。日本学園では三号館前の森と二階堂学園側のフェンス沿いに見事な群落があります。生徒諸君、「三倍体」については生物の先生に聞いてみてネ。

 ハナニラ(花韮:ヒガンバナ科) 

「漢の花園」を2年半続けて気付いたことがあります。それは年々変化する母校の植物分布であります。昨年咲いていた花が今年も咲くとは限らず、昨年見られなかった草花が今年は繁茂している。人為的な要因も含めて、流転する自然には驚くばかりです。このハナニラもそのひとつ。昨春はあまり見られませんでしたが、今年はあらゆる場所で大群落を作っております。花色も純白や写真の青みを帯びた品種「ウィズレーブルー」など、いくつかありました。花の形から英名では「スプリング・スターフラワー」と呼ぶそうです。

ヤマブキ(山吹:バラ科) 

北海道から九州まで分布するお馴染みの山野草です。花には八重と一重があり、観賞用としては八重が好まれますが野性的なのは日本学園に咲く一重でしょう。母校では黄色い波のように咲き誇る大きな群落がいくつもあります。写真の花には「ツマグロオオヨコバイ」という草木の汁を吸う小さな昆虫も写っていますね。このヨコバイ、セミの近縁だそうで横に這って移動することから「横這い」の名がついたそうです。確かにシャッターを切る前は3匹いたのですが、レンズを向けると恥ずかしそうに横這いしながら花の裏に隠れてしまいました。

シロヤマブキ(白山吹:バラ科) 

今回はもう一枚、とっておきの日本学園コレクションを紹介しましょう。それが営繕課の野口さんにその存在を教えていただいたシロヤマブキであります。このシロヤマブキ、現在自生しているのは岡山県のみで、自生種は環境省レッドリスト「絶滅危惧種」に指定されています。庭木としても栽培されていますが、それでも珍しい品種であることは確か。いったい誰が母校にシロヤマブキを植えたのか?かつて母校で活躍された植物に造詣が深い先生かもしれませんね。剛毅な黄色と可憐な白、ふたつの山吹をいつまでも大切に。 


広報部会 S56卒 永澤

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