一昨年の4月19日から6月22日まで上野の東京都美術館で行われたフランスの画家バルテュス(Balthus 晩年はスイスで暮らした)の展覧会に出品されたある作品(若い女性がしどけない姿でソファに横たわっている)の題名に「決して訪れない時」が付されており、その英語訳にthe week of four Thursdaysが記されていました。帰宅後、調べたところ、白水社の仏和辞典にla semaine des quatre (trois)jeudis 「(4 (3)回木曜日のある週)⇒決して来ない時に、いつまでたっても」というのが見つかり、Petit Larousseにも同様の記載があり、temps qui n’arrivera jamais (決して訪れない時)の説明がありました。
(注)しどけない姿:身なりなどがきちんとせず、だらしない様を現すことば。
ところで、何故このような成句がフランス語に出来たのか?インターネットで調べたところ、フランスでは1882年から1972年まで学校は木曜日が休みだったことが分かりました。ついでながら、oncise Oxford French Dictionary でこの句を調べたところ、上記に対する英語は、a week of Sundays と記載されていました。日本語でいうところの「盆と正月が一緒に来たような」の表現に似ていますね。
【上記は大修館書店の月刊誌「英語教育」5月号にコラムニスト、堀内克明さんの「今日のフランスでは小学校は水曜日に休みになるようです」というコメントがついて紹介されています。堀内さんは小生の東京外大の1年先輩。旺文社の「新英和中辞典」の編者です】
昭和28年卒 米田利民
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