1960年代、70年代は日本における食の国際化はまだ進んでおらず、日本に入って来ていない果物、野菜もいくつか見られました。
1)モロヘイヤ
東京オリンピックの年、1964年にクエイトに長期出張していました。ある日ホテルで昼食をとっていると、スープに緑の野菜と肉が入っていました。訊いてみたら、野菜はエジプト産でモロヘイヤといい、肉は鳩肉で、典型的なエジプトの料理だという説明に驚きました。
モロヘイヤとの初めての出会いでした。モロヘイヤはエジプトのファラオーの健康の源といわれていて、ビタミンBはほうれんそうの20倍、カルシュームは7倍あるそうです。
2)キウィフルーツ
1970年、オーストラリアとニュージーランドに出張しました。お得意さんに夕食に招待され、オーストラリアの料理をおいしくいただいていたところ、デザートに出てきたものにびっくり。小皿に緑の丸い果物が料理されているものが載っていました。お得意さんの説明によると、チャイニーズグーズベリーをブランディと蜂蜜で煮込んだものとのことでした。Chinese gooseberryとの初めてのご対面でした。この果物はニュージーランドの特産とのこと。翌日、ニュージーランドニにての仕事が終わったので、ウエリントンの鉄道の駅の売店で「Chinese gooseberry」をみつけて、買って、持参のナイフで茶色の皮をむいたら中から緑の果肉が現れたのでびっくり。そのまま生で試食しました。当時、Kiwi fruitという名前はまだ普及しておらず、Chinese gooseberry(サルナシ 猿梨)と呼ばれている(小生にとっては)奇妙な食べ物でした。1904年にIsabel Fraserという女性が中国より種をNZへ持ち帰り、植物学者Alexander Allisonに栽培を依頼したそうです。1952年より英国へ輸出を開始、1959年に米国への輸出の機会に「kiwifruit」という商品名が付けられました。
3)アボカド
1972年、ベネズエラのカラカスに赴任しました。ある時、レストランで野菜サラダに見慣れない黄緑の野菜が入っていたので、訊いたところ、アグアカテaguacateというもので栄養満点の野菜とのこと。その後、マーケットで買って来て、自分の家でもサラダとして愛用するようになりました。濃い緑の皮は簡単にはずれ、中身を二つに分け、真ん中の種は包丁の端でちょんとたたくと簡単にはずれる大変料理しやすいものでした。aguacateというのは中南米での呼称で、一般にはアヴォカドavocadoと呼ばれています。栄養価が高く、「森のバター」と呼ばれています。(aguacateはもともとの意味はアステカ語で「睾丸」だそうです。その形から来ている)
昭和28年卒 米田利民
左がキウイフルーツ、右がアボカド
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