2010年6月3日木曜日

「漢の花園」Vol.1 皐月

天蓋のごとき巨木が生い茂る正門のアプローチ、
歓声を乗せた風にそよぐグラウンドのプラタナス、
教室に射し込む陽光を優しく遮るヒマラヤスギ、
その足元にひっそりと咲く四季折々の草花・・・。
武蔵野の面影を残す私たちの母校には、
男子の学び舎に相応しい野性的な自然が息づいています。
そんな「漢(オトコ)の花園」を拙い写真と文で綴っていきます。
クリックするとポップアップします。
躑躅:ツツジ科
世界に約850種、日本に50種が自生するお馴染みの樹木。
体育館と中学棟の間にある広場の茂みに咲いていました。
学園の躑躅はほったらかしなせいか、樹枝も山躑躅を
思わせて野性的な印象です。私は甲斐武田家の狂信者。
躑躅といえば武田屋敷の通称「躑躅ケ崎館」ですが、
それと同様、「漢の花園」には躑躅が似つかわしいようです。

ドクダミ:ドクダミ科
十薬とも呼ばれ、利尿、駆虫、化膿、創傷などに薬効があります。
最近では煎じた葉を「どくだみ茶」として手軽に飲むこともできます。
私も試したことがありますが、すこぶる下りました。庭先や
道端でも頻繁に見かけるドクダミですが、接写すると控え目な
花の魅力に気が付きます。むしるときに香り立つ独特の匂いに
夏の訪れを感じる草花です。躑躅のそばに咲いていました。

露草:ツユクサ科
ボウシバナ、藍花、ホタルグサとも呼ばれる初夏の草花です。
青色の花汁は友禅染の下絵や染料としても使われるそうです。
男子の学び舎なので、武家屋敷に咲いた可憐な腰元のような
存在でしょうか。30年前の在学中も咲いていたのかなぁ・・。
まったく気づきませんでした。花に目を奪われる・・・、これも
大人の証か世の汚濁にまみれた末か・・・。複雑な心境です。

蔦:ブドウ科
ツタの名前までは判然としませんが、ラバトリー棟の壁を上昇する
姿が見事で写してしまいました。実は私の家の家紋は「鬼蔦」。
蔦紋は徳川家の葵紋に似ているので多くの武家が採用したとか、
壁に取りつく姿を“客を放さない”縁起かつぎにして芸妓などが
好んだとか、様々な云われがあります。紅葉の美しさも野性的です。
後輩たちも蔦のように登っていけ、と願いながら撮りました。

広報部会S56卒 永澤

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

OBですが、こうした写真は新鮮に映りますね。
日学OB

梅窓会 広報部会 さんのコメント...

日学OBさん
感想コメントありがとうございました。
感想を入れて戴くと、広報部会の励みになります。今後とも宜しくお願い致します。

広報部会員 さんのコメント...

日学OBさん、うれしいコメント、ありがとうございます。これからもコンスタントに更新していきますので、ご意見・ご感想をお気軽に書きこんでください。よろしくお願いいたします!