2011年5月14日土曜日

倶進Vol.3

鉄道研究部の日々

H14年卒 石戸谷 悠 (鉄道研究部OB)

今から14年前のことだが、
現在の日本学園中学校が約30年ぶりに再開された時、
私はその1期生として入学をした。
入学する前から入学案内を見ていて、絶対に入りたい部活があった
それが「鉄道研究部」である。

子ども達が鉄道好きであるというのは、いつの時代も変わらないこと。
それが、部活動として存在していることに、入学前から胸を躍らせていたのは
今となっては懐かしい思い出である。
そして、自分の父も当時の日本学園高校の鉄道研究部員であったことを知るのは
日本学園を卒業した後のことである。

さて、その「鉄道研究部」であるが、
活動内容としては、現在と大きな変化はないと思われるが、
この部活の良さというのは、本当に「研究」するという点である。
数々の鉄道会社にアポを取り、そして、実際に車両基地に赴く。
間近に車両基地内の施設や設備を見て、
そして、社員の方から話を聞いたり、質問をする。
正に、鉄道専門の社会科見学の日々で、鉄道好きには
たまらない学生生活であった。
1年間の集大成を日学祭で発表するのだが、
やはり、1年間のボリュームは非常に大きいもので、
毎年、何らかの賞を貰えるだけのことはあった。

鉄道研究部に入部してから、
多くの鉄道会社や旅行に出かけたが、
その中で忘れられないのが碓氷峠である。
ピンとくる人はどれくらいのものなのか、想像はつかないが
「軽井沢」を知らない人はそうそういないだろう。
碓氷峠はこの軽井沢駅と、その隣にあった横川駅の間にある峠である。
ここは、JRの中でも難所と言われる急勾配地区で、
峠を越える列車の後ろに2台の電気機関車が連結され、押し上げながら進む。
逆に、下る際は電気機関車が先頭に付きながらブレーキの役割を果たし、
列車の加速を抑えるというものだ。
しかし、この碓氷峠の横川・軽井沢間は1997年、
長野新幹線が開通することを機に廃止となってしまった。

これは行かなくてはならない。
廃止前に、鉄道研究部員で碓氷峠に赴くことになる。

 

そこには、歴史的なレンガ造りの橋や変電所
が立ち並ぶ非常に美しい景色であった。
この碓氷峠の歴史というのは
日本学園の前進、東京英語学校が設立されたのと同じ年である1885年に
上野~横川間が開通し、その後、新潟まで直通させるためには
何としてでも峠越えをさせなければならないということで、
さまざまな研究の末、1892年に横川~軽井沢が開通したのである。
この年は、麹町に東京英語学校が再建された時代と重なる。

 

とても古い建築物が多く残り、
当時の苦労までもが伝わってくる碓氷峠に
鉄道研究部として現地に実際に行き、
そして、歴史とともに鉄道を学ぶことができたのは
非常によい経験となった。

 

さて、今年の鉄道研究部は何処へ行っているのだろうか・・・


*文化部の名門・鉄道研究部オフィシャル・サイトはこちら!
http://www7b.biglobe.ne.jp/~suzuki3309/tetudoukenkyubu%20hyousi2009.html

*最新情報満載!鉄道研究部・日本学園HPサイトはこちら!
http://www.nihongakuen.ed.jp/cumpus/club.php?id=21&pos=0#no4752

6 件のコメント:

梅窓会 広報部会 さんのコメント...

OB投稿ありがとうございました。
投稿用に用意した梅窓会ヤフーメールによる
初のブログ投稿! でした。
今後もどしどし原稿よろしくお願いします。

梅窓会 広報部会

S56永澤 さんのコメント...

石戸谷さん、投稿ありがとうございました!母校鉄研への熱い想いが伝わってきます。文にも味わいがあり、意外な所に東京英語学校との時代的な繋がりを発見しました。さすが我らがJ大OBであります。
ヤフーメールによる投稿は簡単ですので、近年卒業された若い世代のOBのみなさんも、ぜひ投稿をお願いします!

匿名 さんのコメント...

現在、某大学で鉄研に所属しています。鉄研のキーワード検索でこの記事に行きあたりました。高校時代に日本学園の学園祭で鉄道研究部の展示を拝見し、研究記録もいただいたことがあり、ハイレベルな内容に驚き、他校の鉄研部員としてうらやましく思いました。特に私鉄の研究では日本学園は、そこらの大学の鉄研もかなわないと思います。この記事を書かれた方も充実した鉄研ライフを過ごされたのですね。うらやましいです。懐かしく、刺激になりましたのでコメントしました。

匿名 さんのコメント...

S大の鉄道同好会の者ですが日本学園の鉄研のサイトを見ましたがかなり本格的なフィールドワークをしているようで驚きました。全員ウチの鉄道同好会に入ってもらいたくなりました。

石戸谷悠 さんのコメント...

コメントありがとうございます。
私は日本学園での鉄道研究部の活動しか知りませんが、当該鉄道研究部は部員一人ひとりのやる気は勿論、顧問の先生(社会科・地理)のモチベーションの高さが活気と結果につながっていると思います。中学生1年生から高校3年生に至る部員に指示を出したり、意見を聞いたりと、部の運営に大きく貢献しているのではないでしょうか。
鉄道は、子どもから大人まで楽しめる趣味ですので、日学を卒業した学生が「鉄道」の輪で皆さんと繋がれたらと思います。

S56永澤 さんのコメント...

僕の甥は小学5年を頭に5歳・2歳と3人います。幼といえども3人そろって筋金入りの鉄道ファンであり、その知識の深さには驚嘆するばかりです。そんな甥と鉄博に行き、彼らの講釈を聞くたびに、何としても母校にぶち込み、鉄研に入部して欲しいと思うのでありますが甥は茨城県に住んでいるのであります。まったくもって残念であります。母校の鉄研は超高校級レベルなので、大学鉄研とタイアップした活動も夢ではないと思います。今年の日学祭には甥を連れていきます!