コギクの仲間(小菊:キク科) |
昨年は一号館南側のヒマラヤ杉並木の下に咲く小菊Aを紹介いたしました。今年は営繕室裏と北側道路の仕切りに沿って咲く背の高い小菊Bであります。この小菊B、さんざん苦労をかけさせられた挙句に死んだ夫の墓前に、ばあさんがたむけた菊のごとき、投げやりな風情がございます。晩秋ともなりますと各地で菊祭りが開かれ、園芸家が天塩にかけて育てた観賞用の菊が繊細な艶姿を競いますが、僕は母校に咲き乱れる、この投げやりな風情の小菊に、男子校らしい奔放無頼な美を感じております。
ホトトギス(杜鵑:ユリ科) |
東アジア~インドに約20種類(内・日本原産は10種類)が分布する山野草です。名前の由来は、花びらの斑点模様が鳥のホトトギスのお腹の模様に似ているからとのこと。ちなみに鳥のホトトギスは主に「不如帰」と書きますので、在校生諸君は覚えておいてネ。野趣あふれる花や葉の姿に魅了される方も多く、庭の草木としても人気があります。日本学園ではグラウンドへ登る土手の草むらで花を咲かせていました。ホトトギスが咲く都心の学校があれば出てこい!と叫びたくなるほど野性的な花であります。
コセンダングサ(小栴檀草:キク科) |
北アメリカ原産の帰化植物です。「栴檀(センダン)は双葉より芳し」とは別種なので誤解されないように。この草の種は服に付く「ひっつき虫」として有名です。花の右手にブラシ状の種を伸ばした「そう果」が見えます。これが成長しますと箱根関所に常備してある「さすまた」みたいなデザイン(マニアックだナ)となり、布や獣の体に付いて分布を広げるそうです。先日、柿の実を撮影すべく木造棟裏の薮に踏み込んだところ、この種にびっしりたかられて参りました。これこそ生命力の証。「小栴檀は種より逞し」であります。
キチジョウソウ(吉祥草:ユリ科) |
日本と中国に自生する常緑多年草です。Vol.5で紹介したヤブランに似ているため、僕もてっきりヤブランかと思いましたが、調べてみたら別種の植物でした。この吉祥草、めったに花を咲かせることがなく、咲く所には吉祥(めでたい兆し)があるそうです。もちろん俗説なのですが、それはともかく、運動部&文化部の快進撃や躍進する大学合格実績など、ここ数年良いことが続く母校であることは確か。「来年も素晴らしいことがあるゾヨ・・・」。吉祥草はそんな御神託を告げるがごとく、森の日溜まりで咲いていました。
「新・ポップアップ機能(Light box)」、お試しになりましたか?「漢の花園」では、今年の夏に約一年間にわたり撮影した日本学園の四季を写真の冊子にまとめました。同冊子は在校生配布や同窓会参加者への土産品などで活躍し、ご好評をいただいております。「新・ポップアップ機能(Light box)」をご利用いただくことで、同冊子の世界感をアクセスされた皆様にもお感じいただけることと存じます。パワーアップした「漢の花園」にご期待ください。
広報部会 S56卒 永澤
1 件のコメント:
世田谷の住宅街にある学校が、こんなに豊かな花々に囲まれているとは。最近改めて日本学園の魅力を感じています。写真も大きく綺麗でした。
団塊のOB
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