2012年12月29日土曜日

「漢の花園」Vol.31師走

お寒うございます。寒かろうが暑かろうが、このコーナーは毎月あるわけで、それも母校の限られた敷地内に咲く花や実を紹介しているのですから、31回もやっていれば、そろそろネタも一巡するだろう、そうなったら仕事も忙しいし、毎月手間だし、もういい加減やめよう・・・と思いながら営繕室と木造棟の裏をカメラ片手にガサゴソ徘徊しておりましたら、いきなり深紅の実をつけた樹木が集結した一画に躍り出たのでありました。恐るべし日本学園・・・このぶんでは来年も新発見は尽きないようで・・・

センリョウ(千両・仙蓼:センリョウ科) 
日本学園の森にはマンリョウもセンリョウもございます。名前がめでたいので正月の縁起物として飾られます。このセンリョウ、調べてみますと比較的温暖な気候を好むそうで、驚くことに日本列島における自生地の北限は南関東だそうです。つまり首都圏で暮らす我々には見慣れた冬の風物詩であるセンリョウですが、ちょっと北の水戸辺りでは自生困難ということになります。ああ驚いた・・・・

ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸:ナス科) 
ヒヨドリが好んでこの実を食べるから「ヒヨドリジョウゴ」の名がついた、といわれていますが、特に好んで食べることもないとのこと。それもそのはず、ヒヨドリジョウゴの実はソラニンというステロイド系の有毒物質を含んでいます。この手の有毒植物は漢方薬の原料にもなることが多く、ヒヨドリジョウゴも福島地方の民間療法では、実を全草ごと酢に漬けたものをヘルペスの患部に塗布して治療するそうです。

ナンテン(南天:メギ科) 
母校の森でもお馴染みのナンテンです。体育館前の広場、一号館ヒマラヤスギ下の緑地帯、そして二階堂学園側の道路沿い植え込みなどに群生が見られます。「難を転ずる」に通じることから、センリョウ同様に縁起の良い木とされ、屋敷の鬼門や裏鬼門に植えられることも多いそうです。そういえば、この南天が自生している場所もたしか北東、つまり母校の鬼門だったような気がいたします・・・

ビナンカズラ(美男葛・実葛:マツブサ科) 
関東~西日本に自生する日本を代表するカズラです。別名「サネカズラ」。小倉百人一首に詠まれている植物としても有名です。「名にし負わば、逢坂山のサネカズラ、人に知られで来るよしもがな」(藤原定方)。「逢う」という意味を逢坂山にかけて「逢坂山に生えているサネカズラよ、その蔓を手繰るように、人に知られずに、あなたが私のところへ来る方法はないものか・・・」という恋の歌であります。また「ビナンカズラ(美男葛)」は、その昔、樹皮から抽出した粘液を男性が整髪に用いたために付けられた名前とのこと。現代のムース、グリース、ヘアジェルみたいなものだナ。いずれも正月&美男ぞろいの母校に相応しいウンチクでありました。日学ファンのみなさま、良いお年をお迎えください!

広報部会 S56卒 永澤  

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

1年間ご苦労様でした。草花の名前を良くご存じですね。
在学中を思い出しても、こんなにたくさんの植物が有るとは気が付きませんでした。
来年もよろしくお願いいたします。

匿名 さんのコメント...

日本学園は都内でも有数な自然豊かな学園だね。スゴ~イ。