2013年10月4日金曜日

吹奏楽部陸前高田市訪問演奏報告【前編】

吹奏楽部顧問 土居先生より、梅窓会ブログへ岩手県陸前高田市訪問演奏の報告文をご寄稿頂きました。
同部は今夏の訪問演奏に際して、周到な準備と練習を行い、二泊三日のスケジュールにて計7箇所のコンサートを開催。500人もの方々へ激励のメッセージを込めた演奏を行いました。6月、この計画の報告があった梅窓会・総会懇親会では参加した会員も賛同。素晴らしい演奏で盛り上げてくれた彼らへ、声援を送っていたOB諸兄も多かったと思います。報告文は、活動の様子や被災地の現況、地元の方々との演奏を通じた触れ合いなども含め、詳細に記されております。ぜひ皆さまご覧下さい。土居先生お忙しい中、ありがとうございました。

梅窓会 広報部会


吹奏楽部陸前高田市訪問演奏報告

日本学園吹奏楽部  顧問 土居真也

今回の陸前高田市訪問に際して、およそ三ヶ月も前から準備をしてきました。我々吹奏楽部は東京都、神奈川県、山梨県で高齢者施設、保育園、幼稚園、小学校への訪問演奏をしています。そのコンサートを被災地で出来ないかと考えたのがきっかけです。それはある幼稚園の園長先生が被災地である陸前高田市の保育園に震災当時に物資を贈られていた話を聞き、我々も何か出来ることをしたいということになりました。4ヶ所の保育園、2ケ所の高齢者施設、そして小学校と全部で7ステージをさせていただく予定も出来ましたが、陸前高田市ではちょうど1ヵ月遅れの七夕祭りがあり、宿泊先を確保するのがとても大変でした。1泊目は陸前高田市宿泊、2泊目、3泊目は一関市からの通いで対応する事になりました。ちなみに一関市から陸前高田市へは約60キロあります。

陸前高田市訪問演奏スケジュール
8月5日  学園出発--陸前高田市到着--横田小学校訪問演奏--陸前高田市宿泊
8月6日 広田保育園--松原苑--横田保育園--一関市宿泊
8月7日 米崎保育園--東部ディサービス--下矢作保育園--一関市宿泊
8月8日 宿舎出発--学園到着

8月3日土曜日
この日はその陸前高田市訪問の前夜祭のような位置づけで町田市の草笛保育園と小山田高齢者施設を訪問し、コンサートをさせていただきました。それぞれの施設でも今回の陸前高田市訪問への反響は大きく、『頑張ってきてね』や『岩手の方を勇気付けてあげてね』と言われてきました。

8.3 コンサートの様子
8月4日日曜日
音楽室で最後のリハーサル後、運搬用のマイクロバスに楽器と大きな荷物を積み込みました。楽器と荷物、そしてペットボトルの水やお茶などで1台はもう満杯状態。このような訪問では準備が大変だということを改めて再認識しました。

8.5 いよいよ学園出発

8月5日月曜日
この日は横田小学校でのコンサートの日です。15時にコンサート開演であったため、逆算すると6時半には学校を出発しなければなりませんでしたが、無事全員が集合。ほぼ予定通りの時間に出発出来ました。バスの中での昼食。現地に到着したのは14時20分。陸前高田市の小学校のグラウンドすべてに仮設住宅がある状態です。横田小学校の校長先生にご挨拶後、拝借している体育館でコンサートの準備をしました。

8.5 初演に向けて準備中

コンサート15分ほど前にはお客様が少しずつ集まり始めました。校内放送を仮設住宅向けに入れてくださり、およそ40名の方がご入場下さいました。あまちゃんのテーマでコンサートはスタート。岩手県のドラマとして知名度も高く、すぐにお客様の顔が明るくなっていきました。夏休みという事もあって、小学生の姿はそれほどありませんでしたが、ラデツキー行進曲を使った指揮者体験もして頂き感想アンケートにも楽しかったと書いて頂きました。今回、横田小学校でコンサートをさせて頂くきっかけを下さったのが小学校グラウンドのお住まいの大坂次男さんです。大坂さんからも『みなさん、日本学園の学生の皆さんに大きな拍手を送りましょう』と言って頂き、コンサートの満足度も高かったのだと実感しました。

8.5 演奏スタート!

コンサート後、片付けをして夕食会場に向かいました。普段、夕食をしていない竹駒食堂さん。事情を事前に電話で慰問演奏をするためと話したところ、オーナーさんが快く引き受けて下さり、満腹にして頂きました。宿泊は通称玉山温泉。陸前高田市の保養施設で、ボランティアの学生がたくさん宿泊していました。朝早く集合していた事、最初のコンサートで緊張していたこともあり、私を含め全員がすぐに寝たはずと思います。

8月6日火曜日

この日は3ステージの日です。素泊まりであったため、食事は前日の夕食と同じ竹駒食堂さんにお願いしておきました。バイキング形式でこちらもお腹いっぱい食べました。車で20分ほど、広田保育園に到着。こちらの保育園は海に一番近いため園舎も震災当時1メートルも海水に浸かったそうですが、それを直して使っているとの事でした。

8.6 食堂近くの津波の痕跡

園児のみなさんはとても元気で、大きな声の挨拶に部員たちは圧倒されているようでした。午前中の保育園コンサートには高校2年の今野くんが司会を担当しました。曲を紹介する他、指揮者である私とのトークもしながら進めます。オープニングは前日と同じあまちゃんのテーマ。その後はアララの呪文などお子様向けプログラムを演奏しました。今回の慰問では楽器を30種類ほど持って行きましたので、その楽器を紹介しながら園児のみなさんにも歌ってもらう形で中盤は進めました。コンサート後半は手拍子をしてもらったり、大きな声で歌ってもらったりとたっぷり1時間のコンサートを楽しんで頂きました。

8.6 広田保育園での演奏

昼食は演奏したホールを拝借し、復興お弁当屋さん(仮設での店舗で営業中のお店)から出前してもらいました。その後バスで次の施設に移動しましたが、壊れた防波堤を見たり、街中の様子を見ました。部員たちはその風景に感じるものが大きかったと思います。その移動の最中にIBCラジオからの電話での取材、放送がこの時間にありました。

陸前高田の幼児施設は幼稚園がなく、保育園のみとなります。保育園は午後にお昼寝があるため、午後には高齢者施設を回ることになっていました。松原苑さんは陸前高田市最大の高齢者施設です。200人近い方が利用されていますが、その大多数がそちらに居住されています(デイサービス利用の方もいらっしゃるとのこと)。2階には海が一望できるラウンジのようなスペースがあり、十畳ほどの畳の舞台があり、そちらに打楽器、その舞台の前に管楽器という形でコンサート準備を
しました。舞台後ろには歓迎のパネルも設置していただき、部員たちも感激していました。岩手日報の新聞取材もあり、翌日の朝刊に掲載されました。

2013.8.7付-岩手日報記事

  1. 【陸前高田】元気生む迫力の音色 東京の学生が慰問演奏 - 岩手日報ネットニュース
    2013/08/07 - 東京都世田谷区の中高一貫男子校、日本学園の吹奏楽部は6日、陸前高田市高田町の
    介護老人保健施設松原苑で慰問コンサートを開き、迫力ある音色で利用者ら約100人を楽しませた。 
    中学と高校の部員計22人と顧問らで訪問。

    その記事によると100名の方が集まって下さったようでスタッフの方を合わせるとおよそ130名の方に聞いて頂いたようでした。高齢者施設ということで、楽器の紹介も青い山脈や知床旅情などの曲を選曲していましたが、それも皆さんには喜んで頂けたようです。新聞には圧倒の演奏と掲載して頂きました。午後のコンサート、司会は高校3年の瀬木くんが担当しました。
    松原苑さんから次の施設までは片付け移動準備を含めて1時間しかありません。部員全員で協力し、過去最短時間でバスに楽器を載せました。夕方の施設は再び保育園です。夕方のお迎え時間に合わせてお帰りコンサートとして実施しました。時間は50分程度。楽器の紹介を数曲にした他は午前中のコンサートと変わりません。およそ50人の園児さん、先生方に聞いて頂きました。今年から顧問に加わって頂いた告先生は多彩な技をお持ちで、バルーンアート(細長い風船で犬などの形を作っていくもの)を事前に学校で部員たちに練習指導を済ませてありましたので部員とともに園児の皆さんにプレゼントしました。夕方のコンサートは高校2年生の皆川くんが担当しました。

    この日と翌日は陸前高田市に宿が確保出来ませんでした。というのも8月7日は陸前高田市で七夕祭りが行われる関係でお祭りのボランティアさんが、事前に宿を予約されていたために、それぞれ一関に戻りました。この日の宿は旅館越後屋さん。夕食、朝食は共にとても美味しく頂きました。

    8.6 旅館越後屋さん到着
    8.6 お楽しみの夕食です
後編へ続く
梅窓会 広報部会

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

吹奏楽部の皆さん!
生徒さんは、学生時代の"今"しか出来ないことを沢山経験していますね。総会での演奏はとっても盛り上がって楽しかった。ありがとう。
日学卒業生より