2011年1月28日金曜日

「漢の花園」Vol.8睦月

今週の日学HP「校長日記」で、谷川校長が「個として(グローバル競争力)を!」と題して、国際化社会における英語力の大切さを生徒たちに力説されています。僕も外資系広告会社に勤務していた時代に、英語・英会話で苦労した経験があり、誠に耳の痛い話です。そんな僕でも、時々「へぇ~」と感服してしまう英語表現と出会うことがあります。昨年7月にご紹介したアジサイもそのひとつ。アジサイの英名・学名「Hydrangea」は「水の器」という意味だそうです。一方、日本では「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」が語源とのこと。アジサイの花を「青(水)を湛えた器」に例える英語圏の人々、「青を集めた塊」に例える日本人、この両者の感性を育んだ背景には何があるのか?興味は尽きません。学びは発見と感動の冒険だ!・・・と気付いたときは不惑も半ば。後悔先に立たずであります。

シクラメン(篝火花:サクラソウ科) 

シクラメンに因む伝説に、ソロモン王が王冠に花のデザインを施したいと思い、様々な花と交渉するが断られ、唯一承諾してくれたシクラメンに感謝すると、それまで上を向いていたシクラメンの花は、うれし恥ずかし、うつむいてしまった、というものがあります。なんとも美しい話です。シクラメンには「篝火花(カガリビバナ)という和名もあります。この花を見たある日本の貴婦人が「かがり火のような花ですね・・・」と言ったのを聞いた植物学者の牧野富太郎氏が名付けたとのこと。学園に咲くシクラメンは、割れた鉢から転がり出た球根が定着したものだそうです。うつむきあって灯る篝火のような半野生のシクラメンに、日溜まりの温もりを感じました。

ムラサキカタバミ(紫片喰:カタバミ科) 

すごいですねぇ~・・・我が母校は。春本番から咲き出すはずのムラサキカタバミが、もう花を咲かせていました。咲いていたのは一号館とテニスコートの間に立ち並ぶヒマラヤ杉の根元であります。それもそのはず、ここは学園の中でも南向きで日当たり最高の一等地なのであります。ムラサキカタバミはクローバーに似ているので紛らわしいのですが、前者の葉はハート型、後者の葉は丸型だそうです。この植物も江戸時代末期に観賞用として輸入された外来種とのことですが、あまりに増えすぎて、今では雑草扱いされているようですね。しかし、ありふれた花といえども、花の少ない冬に出会いますと、それなりに感動するものです。昼間はともかく、夜寒はこたえることでしょうねぇ・・・。

バラの実(薔薇:バラ科) 

日本学園にはバラもキャンパスの各所に息づいております。その大半は野バラ化しており、四季を通じて可愛いピンク色の花を咲かせております。で、僕が今年、特に期待しているのが、この小ぶりな実を付けたバラの開花。なぜかと申しますと、このバラは木造棟の裏に沿ったフェンスに枝を広げており、いずれトレリスに絡んだバラの壁となることを予想させるからです。学園スタッフのどなたかが、そうなるようにとの願いを込めて枝を結わえたのでしょう。素晴らしいアイディアです。男子校の校内は荒削りでほったらかし、という印象をお持ちの方も多いと思いますが、我が母校はちがいます。日本学園のキャンパスには自然の恵みを大切に、美しく育みたい、という想いが注がれているのです。

ダイダイ(橙:ミカン科) 

「満を持して・・・」とは、彼のために用意された言葉かもしれません。青く小ぶりな実を付けていた初秋~淡いオレンジ色に染まっていった晩秋~色づく金柑や柚子たちの同族を尻目に我慢を重ね、そして迎えた冬本番。写真のような見事な橙色になるまで、僕はずっと待ち続けていたのであります。どうです、まさにKing of Mikan!  しかも彼は学園正門手前の角地に根を下ろし、明大前駅方面からやってくる通行人に、見事な実りを誇示するだけでなく、「日本学園 創立明治18年」という看板をカラフルに引き立て、その実りを生徒たちの「実り多い学園生活」に重ね合わせ、母校のイメージアップにも貢献しています。なんと働き者のダイダイか。まさにオレンジ色の憎いやつ、であります。

広報部会 S56卒 永澤

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