2010年10月18日月曜日

「漢の花園」Vol.5 神無月

みなさまこんにちは。今月も「漢の花園」の時間がやって参りました。
先週の土曜日、校門付近の風景を誰も見ていないのをいいことに、
気分はすっかり土門拳で立ち、座り、ふしつまろびつ学園を
激写していたところを和田事務長に見つかりました。
実は校門周辺に咲くキバナコスモスは事務長が自ら種を蒔かれたとのこと。
理科の先生の中には学園内の植生をつぶさに調べた方もいらしたとか。
美しき学園の森は人の心を魅了し、その心がさらに豊かな森を育んでいく。
僕もその豊かさに心惹かれたひとりであります。

キンモクセイ(金木犀:モクセイ科)
10月の日本列島は北海道を除いて、この花の馥郁たる香りに満たされます。
金木犀は中国南部が原産で江戸時代に渡来したそうです。別名「桂花」。
花冠はお馴染みの「桂花陳酒」や「桂花茶」に使われます。
一号館の石柱に寄り沿う金木犀の花は可憐のひとこと。この季節は正門周辺を舞台に、秋の香の双璧である銀杏VS金木犀の熱いバトルが展開されます。学園の森は、ある意味「漢の鼻園」であります・・・。
キンモクセイ(金木犀:モクセイ科) 

ヤブラン(藪蘭:ユリ科) 
関東以西の温暖な地に生息する常緑の多年草です。実はこのヤブラン、明るい林や谷筋でなければ花を咲かせないそうで、この花が終わると黒紫色の実をつけるとのこと。日本では古くから庭園にも植栽されています。
花を咲かせるということは、それだけ学園の森が明るい陽射しに満ちた場所である証拠かもしれません。木漏れ日が降り注ぐ日本学園の森は、落葉樹を中心とした典型的な武蔵野、在りし日の松原を偲ばせます。
ヤブラン(藪蘭:ユリ科) 

オシロイバナ(白粉花:オシロイバナ科) 
ポピュラーな花ですが、原産地はなんと南アメリカだそうです。そう聞くと花の形にラテンな陽気さを感じます。花が夕方に開くため「夕化粧」という艶っぽい名や「煮飯花」などという生活臭ふんぷんたる和名もあります。
この花、子供の頃に花を摘んでは、種を筋ごとそーっと引っ張り出し、パラシュートにして遊びました。赤い花、白い花、絞りの入った花。様々な色の夕化粧を空へ投げ上げた遠い日の記憶。やり直したいものです・・
オシロイバナ(白粉花:オシロイバナ科) 

セイタカアワダチソウ(背高泡立草:キク科)
これ、日本における侵略的外来種のパイオニアです。彼は第二次世界大戦後にアメリカからやってきました。その侵入経路には諸説あるようです。
根っこからアレロパシーなる周囲の植物の成長を抑制する化学物質を放出しつつ、モグラや鼠が耕した地中深くに根を伸ばすことで養分を取り込み、昭和40年代には爆発的に繁栄しました。河原一面が黄色く染まったほどです。
しかし、モグラや鼠が駆逐され、周囲の植物が枯れてしまった平成になると、自らのアレロパシーによって、自分の成長も抑制されてしまいました。
驕れる平家は久しからずや。かつて3m以上にもなった彼ですが、今ではこの通り。
セイタカアワダチソウ(背高泡立草:キク科) 

広報部会 S56卒 永澤

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